(中編)モグラ駅って何? 土合駅に潜ってみた
この記事は中編です
前編はこちらから
一通り地下ホームを探索
トイレや待合室、鍵のかかった駅務室など
隅々まで見た所で「さぁ帰ろう」と
思った途端に気がついてしまった
「これからまたここを登るのか…」
またこの案内が辛さを
物語っている気がしてならない
よくよく考えれば電車から降りて
改札に上がるルートなので
こっちから行くのが正規ルートなわけで
私が今降りてきたのはいわば裏ルート…
電車から降りてこの案内があると
「随分面白い駅だな」
となるかも知れないが
私は既にこの階段の長さを知っている
しかも下りよりも上りが辛いのは明白
これは困った
とりあえず登り始めてみる
降りてくるときには気が付かなかったが
階段に番号が振ってあった
全部で462段あるらしいので
10段という事はまだ約1/40…。
何度でも言うが、知っているからこその辛さ
駅舎に入った時は涼しいくらいだったのに
いつの間にか腕を捲るほど汗ばんできた
これは確かに途中に椅子の一つ欲しくなる
そしてこれだけ長いとエスカレーターが
あったって良いのでは?と思い始める
ふと左側に目をやると
土が剥き出しの不可解なスペースが
これは幅的にも今望んでいるまさに
エスカレーターほどの幅
もしかして作る計画があって
ワザとスペースを残しているのか?
いやしかし462段もの長さのエスカレーター
というものは設置可能なのか?
しかしよくみると湧き水が流れていた
計画はあったが現実的ではない
という判断だったのだろうか
結局降りてきた時の
倍以上の時間をかけて462段登りきった
こちらも降りるときには
気がつかなかった労いが
と思ったらまだ現実は甘くなかった
赤のアンダーラインで注意書きと激励が
まぁここまで来てしまえば
24段、たった143メートル
と自分に言い聞かせ戻って行く
暗闇の奥に「出口」の文字が見えてきた
古よりの諺
行きはよいよい帰りは辛い
を全身で体験した
この言葉かなり身に染みた
ここまで探索すると
地上ホームも見てみたくなってきた
(後編へ続く)